国会の場合は、通常国会の冒頭で内閣総理大臣が行う演説を施政方針演説としています。町では、横瀬町議会の3月定例会において、町長が施政方針を述べています。
施政方針とは、その1年間の町政運営の基本方針として、政策の姿勢を示すとともに、翌年度の主要事業や予算についての方向性を示すものです。
横瀬町議会 令和7年3月定例会 施政方針
本日、一括上程されました令和7年度一般会計予算、特別会計予算、公営企業会計予算の審議をお願いするにあたり、私の施政方針を明らかにし、議員各位並びに町民の皆様のご理解とご支援を賜りたく存じます。
【基本方針】
令和7年2月11日の建国記念日、横瀬町合併70周年及び町制施行40周年の記念式典が多くのお客様、町民の皆様に参加をしていただき、盛大に挙行できましたこと、まずはあらためて御礼申し上げます。 横瀬町の歴史の節目となる記念式典を経て、合併してから71年目、町制施行から41年目の歩みを始めて行きます。 この町の礎を築いてくださった先人達、町民及び関係者の皆様に対する感謝の気持ちを胸に、令和7年度の行政運営に当たっていきたいと考えます。
今から遡ること70年前、昭和30年の2月11日に旧横瀬村と旧芦ヶ久保村が合併して、現在の横瀬の歩みが始まりました。 昭和から平成を経て、令和の時代に至る激動の70年間をこの町は乗り越えてきました。 この激動の70年間には、強いていうと、2つの局面があります。 平成7年(1995年)までの40年、”人口増加局面”とそれ以降の30年、”人口減少局面”です。 状況の全く異なる2つの局面では、当然に行政施策の進め方や優先順位は異なります。 前者は、「今日より明日が豊かになる」という想定ですが、後者では「今日より明日が厳しい」という想定です。 ましてや、とりわけこの10年は、消滅可能性自治体という言葉が象徴するように、現状のままでは自治体の存続が危ぶまれる、というたいへん厳しい想定での行政運営になっています。 私たちの仕事の基本は、住民の福祉の増進です。 言葉を換えると、住民がより”幸せ(ウェルビーイング)”になるために行政サービスを提供する、ということだと理解しています。 しかし、当町においては、住民の福祉を増進する (増進し続ける)ために、あるいは住民が幸せになる (幸せであり続ける)ために、必ず乗り越えなければならない大きな障害があります。 それが、終わりの見えない人口減少の現実、なにもしなければ「ずっと今日より明日が厳しくなり続ける」という現実です。 まずはここに対処すること。 人口減少が続く厳しい現実から逃げずに正面から向き合い、それを抑制する努力、それに備える努力を組織的に継続すること、そして「人口減少が継続するという悲観的なこの町の未来を変える」こと、これが現在の横瀬町において最も必要なこと、最優先のことだと考え、私は町政運営にあたってきました。
人口減少が継続するという自然な流れにあらがって「未来を変える」ということはたやすいことではありません。 人口減少、少子高齢化対策に特効薬はありません。 組織的に、粘り強く、ブレない政策を継続していくことしかないと考えています。 そして未来を変えるためには”今までとおり”では不十分で、新たなチャレンジ (挑戦)が必要になりま す。 当町はチャレンジすることに重きをおき、平成27年度(2015年度)に未来を変えるための横瀬町地方創生総合戦略と人口ビジョンをつくり、平成31年度(2019年度)に現在の、”カラフルタウン”を目指す、第6次横瀬町総合振興計画を策定し、今日まで実行に移してきました。 このカラフルタウンを実現するために、当町は、人づくりから始まる7つの施策の柱を設定し、それぞれに具体的な目標を掲げ、行政運営を進めてきています。 当町が目指すカラフルタウンとは、具体的に次の通り表現しています。 「色彩豊かな美しい町。多様な幸せがある町。四季折々の色彩豊かな美しい景観のなかに、温かい人の輪がたくさんある。その一人ひとりはいろいろな人がいて、みな自分らしく幸せに生きている」。 カラフルタウンを一番単純に表現すると「その人らしい幸せ(ウェルビーイング) がある町」、ということです。
ここに至るまでの取り組みで、人口減少の抑制、福祉サービスの向上、防災防犯や各基盤整備など生活安全面の向上等々着実に積み上げができてきたと考えています。 当町は、人口減少が容赦なく進行する厳しい状況の中で「未来を変える」ために高い目標を掲げ、チャレンジを続けてきました。 小さなチャレンジが積み重なることで少しずつ形になり、それらが連鎖して、未来を変えるために少しずつ大きなチャレンジができるようになってきました。 例えば、エリア898の開設から始まった中心地づくりは、Lab横瀬やエリア899、タテラボやナゼラボなど多様な機能を有する官民の施設が集まることで多様な人々が交流する中心地が形成されはじめ、現在は、ウォーターパーク・シラヤマ、そして横瀬駅周辺や兎沢町有地まで含めた大きなエリアでの中心地づくりを検討し始める段階になってきています。 小さく始めたチャレンジが積み重なって、次なるステップに繋がってきました。
現在、国は地方創生の分野に重きをおき、地域の多様な主体(産官学金労言など)と連携し、それぞれの知恵と情熱を活かして地域の可能性を引き出すことを重視しています。 また、地方公共団体がより自由度の高い事業を行うことができるよう設計された地方創生のため交付金を創設するなど、積極的に取り組もうとしている地方自治体を様々な面で後押ししようとしています。 こうした流れを的確にとらえて、民間企業、団体、国や県など、様々な共創パートナーと連携して、一段と高い段階のチャレンジをしていく、そんな動きをはじめる起点となるのが令和7年度になります。
令和7年度の推進体制については、二つの新機軸があります。
まず、従来の建設課の下水道・浄化槽担当及び振興課の環境担当を合わせて、新たに環境課を新設します。 令和5年度に実施した住民アンケートのなかで、「身近に自然を感じることができる」ことについて大切もしくはとても大切と答えた方は実に82.8%にも及びました。 住民の皆様がとても「身近に自然を感じること」を大切にしているということです。 令和6年度には国土交通省より、先導的グリーンインフラモデル形成支援重点支援団体に選定され、人と自然が調和する町づくりの基礎を学びました。 こうした下地もでき、あらためて環境を重要テーマと捉え、そこにフォーカスする (焦点を当てる) 体制にします。 従来業務に加えて、現在進めている中心地づくりに環境の観点を加えることや、森林資源の活用や再生エネルギー活用に向けての検討など、各課や民間事業者とも連携のもと、”身近に自然を感じることができる”、第6の柱「景観環境づくり」を一層力強く進めていきたいと考えます。
二つ目、教育委員会の拠点を役場本庁舎から町民会館へ移します。 町民会館の運営と一体化することで、業務効率化、町民会館の利便性向上、中心地エリアの活性化、災害時対応力の強化等を図っていきます。 役場執行部と教育委員会との物理的距離は今より開きますが、今以上に連携を深めて、地方創生施策の中で非常に重要な教育分野、総合振興計画の第1の柱「人づくり」をはじめとする施策を推進していきたいと考えます。
令和6年度に、健康子育て課内に、子育て世帯の相談窓口となる「すくすくエール」 こども家庭センターが開設されました。 これにより町民課の「なんでも相談室」、福祉介護課の「地域包括支援センター」等と併せて、全ての住民に対して、機動的に相談を受けられる体制が整ってきました。 高齢化の進行や独居世帯の増加、物価高等に伴う生活困窮などから生じる様々な住民の困りごと、子育ての悩みなど、全てに対応する窓口で、断ること無く相談に乗ること。 各相談窓口及び住民接点となる地域の皆様等がよく連携して、複合化する住民の困りごとや課題にしっ かり向き合い、それを解きほぐし、丁寧に対応すること。 それらを可能にするのは、まずは住民の皆様との「対話」です。 当町は、「対話をすること」を基礎として、引き続き「日本一相談しやすい町」を掲げていきます。 各種検診事業等に加えて、「日本一歩きたくなる町プロジェクト」をさらに推進して、住民の健康増進とともに”歩きたくなる町 (ウォーカブルシティ) づくりを図っていきます。 住民の皆様の幸せ (ウェルビーイング)を育み、「子育てしやすく、子どもたちはいきいきと暮らしている」、住民の皆様が「心身の状態は健康である」町をつくっていきたいと考えます。
安全安心づくりについては、道路や下水道などのインフラ整備の進捗に加えて、防犯担当の集落支援員が着任したこと、住民の皆様のご協力のもと、交通死亡事故ゼロ1000日以上継続、建物火災ゼロ継続、2年連続での県の交通安全推進市町村表彰受賞などがあり、町の安全安心づくりは着実に進展してきています。 引き続き、防災防犯力の強化を図り、住民の皆様が、「防災防犯面に不安を感じない」 町をつくっていきます。 また、秩父地域1市4町が連携して推進している、秩父広域市町村圏組合及びちちぶ定住自立圏構想における医療や水道などの事業は町民の生活に直結する重要な事業であり、各分野の議論において積極的な役割を果たしていきたいと考えます。
令和6年度、重点テーマに挙げた「連携」は、住民の皆様との連携、プロジェクトチームなど複数課による様々な「連携」、上記の広域連携などに加え、この1年あまりの間に、福島県磐梯町及び島根県海士町との「3町未来共創協定」、埼玉県伊奈町との「未来につなぐ森づくり連携協定」、鳥取県北栄町との「官民の人材交流にかかる協定」など、他の地方自治体と「連携」し、人材やノウハウや資源をシェアする取り組みが進んできました。 また、国際協力機構(JICA) との連携による研修生の受け入れ開始や、西武鉄道株式会社様の全面協力のもとでの町として初めての国際交流イベントとなる「台湾祭々in秩父・横瀬」の開催などは、広い世界と当町とを繋げる新たな交流や賑わいを生み出しました。 さらに、株式会社温泉道場様とは「災害時における入浴機会の提供に関する協定」締結、UBE三菱セメント株式会社様からは遊休施設をお借りして、宿泊体験施設をオープンするなど、地元関連企業との連携も様々な形で進展し、当町が進めてきた「連携」が多方面で実を結びはじめてきました。 令和7年度は、こうした連携をさらに進めていき、共創パートナーを巻き込んで、横瀬駅周辺や兎沢町有地を含めた中心地づくりや二地域居住推進などの大きなテーマに挑戦していきたいと考えます。
これまでの取り組みを経て、現在の”チャレンジする人が集う町”という横瀬町のブランドが形成され始めています。 当町にとって、引き続き、「チャレンジする人を呼び込み続けること」は非常に重要と認識します。 これは、今後あらゆる分野において「人材不足、担い手不足」 が、ボトルネック (制約要件)になることが背景として想定されるという点からも非常に重要です。 地域おこし協力隊、地域活性化起業人、集落支援員などの制度を積極的に活用するほか、国際協力機構(JICA)人材交流、大学連携など引き続き積極的に進め人材の流入、関係人口の拡大を図ります。 とりわけ、集落支援員の制度は、内外の人材の交流や連携を積み重ねてきた今の当町が、さらに地域活性化、コミュニティづくり、子育て支援、農林業の活性化などを図るために、非常に有効な制度であり、従来以上に積極的に活用していきます。 起業支援プログラムを加えた官民連携プラットフォームよこらぼは、引き続き、”チャレンジを応援する仕組み”として機能します。 有限会社果樹公園あしがくぼと株式会社ENgaWAはより連携を深めて、地域振興、農業の活性化、経済循環づくりを進めます。 これらの力を掛け合わせて、産業づくり雇用づくり、賑わいづくり中心地づくり、そして”温かい人の輪が たくさんある”人の輪づくりを積極的に進めていきます。
引き続き進行する少子高齢化、独居世帯の増加など生活様態の変化、物価高、財政的な制約等々、令和7年度の私たちを取り巻く環境は、けっして楽なものではありません。 しかし、今の私たちであれば、ピンチをチャンスに、課題を伸びしろに換えて、行政運営を前に進めていけると確信しています。 これまでの取り組みで、小さなチャレンジが積み重なり、ヒト・モノ・カネ・情報が町に集まりだし、町にある資源や人材と交わり、相互に影響し合い、連携が生まれ、それらが連鎖して、「次の段階のチャレンジ」が可能になるところまでは登ってきた、そんな手応えを感じています。 「次の段階のチャレンジ」とは、当然に、私たちの仕事の基本である、住民の福祉の増進に寄与するものでなければなりません。 住民にむけた、住民に成果を実感してもらえる「チャレンジ」です。
令和7年度は、これまで築いてきた関係人口や民間企業、国・県など多様な共創パートナー等とより深く連携して、具体的に住民の皆様から目に見える価値を創ること、各分野の「人手不足・担い手不足」をここまでで培った力と人材でカバーしていくことなど町にある大きな課題に対応していくこと、”温かい人の輪がたくさんある”に向けて新たな人の繋がりやコミュニティを町内各所につくり始めることなど、そうした「次の段階のチャレンジ」の起点となる1年にしたいと考えます。 令和7年度は、令和6年度に掲げた3つの重点テーマ、「対話」「連携」「チャレンジ」をさらに進化させて行政運営を進めていきます。 あらためて、住民の皆様との「対話」を深め、「連携」をより密により広範により深く、そして未来を変えるため、カラフルタウンをつくるための「次の段階のチャレンジ」を始めていきます。 令和7年度、「この町の未来を変える、変えられるのは私たちだけ」という強い想いをあらためて職員と共有し、一丸となって、町民一人ひとりのその人らしい幸せ (ウェビーイング) があるカラフルタウンを目指して、全力で行政運営に当たっていきます。
【令和7年度重点施策】
続きまして、新年度の重点施策について説明させていただきます。 第6次横瀬町総合振興計画の目標 「カラフルタウン」実現に向けた7つの柱ごとに、重点施策を申し上げます。
1の柱、切れ目ない子育て支援と教育の連携を目指す「人づくり」です。 はじめに、これまで結婚・妊娠・出産・育児の切れ目ない支援として取り組んできました、「結婚新生活にかかる支援」、「出産・子育て応援金」、「小学校、中学校入学時での祝い金」、中学校の卒業時の「巣立ち応援金」、そして小・中学校の給食費の無償化などを引き続き推進していきます。
加えて、地域にある様々な場所を活用し、安全安心で気軽に立ち寄ることができる「こどもの居場所」をモデル的に新たに創設するとともに、保育所において、令和6年度の大規模施設改修に続き、設備改修に取り組み、保育サービスの向上を図ることで、さらに切れ目ない支援を進化させます。
学校教育施設として、横瀬中学校のB棟校舎及び体育館の耐力度調査を令和6年度に実施した結果、建て替えまでに至らず改修することで継続的に活用できることから、校舎等の改修に向けた基本計画・基本設計を策定します。
また、GIGAスクール構想で横瀬小学校・横瀬中学校に配備された学習用端末が更新時期を迎えたことから、全端末の入れ替えとネットワーク回線の改修をし、学校のICT環境を充実します。
さらに、中学生の国際交流事業では、従来の国内事業の実施のほか、新たに国内にいながら海外の異文化を体験するプログラムを加え、引き続き、国際的視野をもつ人材を育成していきます。
次に、2の柱、全ての町民が健康に暮らせることを目指す「健康づくり」です。
4年前にスタートした「日本一歩きたくなる町プロジェクト」は、埼玉県の健康長寿優秀市町村表彰優良賞受賞、「フットヘルスアワード2025」の取組部門最優秀賞受賞など、これまで積み上げてきた実績が評価されるようなってきました。 「日本一歩きたくなる町プロジェクト」ですが、埼玉県コバトンALKOO (あるこう) マイレージ事業と連携し、町内8箇所あるウォーキングコースを活用したウォーキング塾やウォーキング教室、そして保育所児童を対象とした、歩き育む「歩育プログラム」など、引き続き、積極的に取り組み、町民の歩きたくなる意識を醸成していきます。
また、町民の皆様にたいへん好評をいただいている「移動スーパー参入促進事業」ですが、引き続き、移動スーパーの事業者と連携して、買い物の機会や町民同士の交流の機会を確保するとともに、高齢者等の見守り活動をしていきます。 疾病の予防と早期発見・早期治療のため、AIを活用した特定健康診査の受診率向上と、LINEを活用した特定保健指導の実施率向上を図るとともに、新たに「1歳児健診」と年代別等の「歯周病検診」に取り組みます。 また、健康の維持・増進のため、食生活にかかる野菜摂取の意識付けの強化に取り組むとともに、健康管理システムの改修により、町民の健康情報の一元管理を強化し、保健事業を効果的に推進します。
障がいのある方が地域で自立した、安心して自分らしい生活ができるよう、聴覚に障がいがある方へ秩父地域登録の手話通訳者の派遣を秩父地域1市4町の共同歩調のもと、取り組んでいきます。
次に、3の柱、防災、防犯、防火対策や、交通安全対策を推進し、全ての町民が安全で安心に生活できる環境づくりを目指す「安全安心づくり」です。
まず、防災対策として、地域を災害に強い環境にするための施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、「地域防災計画」及び「国土強靭化計画」を改定します。
また、災害時に使用する毎戸配布の「非常用トイレ」をはじめとする物資・資材等の災害用備蓄品を引き続き整備するとともに、消防自動車を購入し、万一の災害時に備えます。
防犯対策では、公共施設への防犯カメラの設置、刺股の購入、そして世帯等での防犯カメラ設置への補助制度の創設などにより、犯罪抑止力の向上を図ります。
町民の生活基盤である町道については、町道5号線、3175号線等の道路整備を引き続き、鋭意進めます。 また、一般国道299号及び主要地方道熊谷小川秩父線においては、中郷交差点をはじめとする交差点改良及び歩道整備を積極的に促進し、利用者の安全性・利便性の向上、渋滞の解消を図ります。
町民の足である地域公共交通ですが、引き続き、予約型乗合タクシー“乗合ブコーさん号”の運行と路線バスの確保に取り組むとともに、国の伴走支援をいただきながら、地域公共交通の再編等の検討の準備をしていきます。
次に、4の柱、多様な働き方や生き方が実現できる環境を目指す「産業づくり雇用づくり」です。
まずは、官民連携プラットホーム 「よこらぼ」ですが、「日本ーチャレンジする町、日本ーチャレンジを応援する町」として、事業の実証試験フィールドを提供するという、これまでのスタイルは継続しつつも、令和6年度は審査体制、推進体制の見直し、起業支援補助金の創設などに取り組み、「第2期よこらぼ」がスタートしています。
令和7年度は、「第2期よこらぼ」をさらに進化させることによって、「ヒト・モノ・カネ・情報」の流れをより一層促進し、町内の活性化、住民福祉の向上に繋げていきます。
「道の駅果樹公園あしがくぼ」や「キッチンENgaWA」、「ENgaWA駅前食堂」などの指定管理を行っている、有限会社果樹公園あしがくぼ、その100%出資の子会社である地域商社株式会社ENgaWAは、地場産品を活用した商品開発などに積極的に取り組んでいます。 これらの取り組みが、町内の新たな経済循環や雇用創出に繋がるよう、地域おこし協力隊や地域活性化起業人等の外部人材を活用しながら、引き続き、連携・協力して取り組んでいきます。
UIJターンを促進するため、東京圏から移住してきた起業者へ、支援金等を交付する 「移住就業等支援金」や、移住した秩父地域内外の企業就職者への支援となる「定住就職促進奨励金」などに引き続き取り組んでいきます。
さらに、二地域居住をはじめとする新たなライススタイルに対応するため、Lab横瀬や舎場シンワなどの移住体験施設を積極的に活用しながら、地域おこし協力隊や集落支援員のほか、新たに移住コーディネーターを加えた外部人材と連携・協力して、町での暮らし体験などの体験機会を創出していきます。
次に、5の柱、観光などで訪れる交流人口や、地域や地域の人々と多様に関わる、地域外の関係人口の増加を図り、賑わいを目指す「賑わいづくり中心地づくり」です。
町の賑わいのある中心地づくりとして、町民会館やエリア898、899などの公営施設とLab横瀬、タテラボ、ナゼラボなどの民営施設が集積し、この周辺エリアが横瀬らしい中心地を形成してきました。
このエリアにあるウォーターパーク・シラヤマは、令和6年度から、駐車場の拡張や遊具の設置などに取り組んできましたが、引き続いて、歩行者用吊り橋や右岸の公園などを整備し、様々な地域・年代の方々、誰もが気軽に立ち寄り、集まり、交流し、活動することのできる中心地づくりを進めます。
さらに、横瀬駅・兎沢町有地周辺のエリアについては、兎沢町有地周辺の現況調査が終了したことから、より具体的な調査・検討を進め、エリア898周辺エリアを含めて、点から線、線から面となるよう、賑わいのある中心地として充実していきます。
「日本一歩きたくなる町プロジェクト」では、関係機関との連携により、里山まるマルシェなどのイベントの開催や、ウォーキングコースの整備などに取り組み、引き続きウォーキング文化の醸成、歩きたくなる町としての取り組みを積極的に進めていきます。
地籍調査では、第12区町民グラウンド周辺及び和田河原地区周辺を対象として、一筆ごとの土地の確認など現地調査を進めます。
次に、6の柱、自然を大切にし、美しい景観と暮らしやすい住環境が調った、自然と共存する暮らしを目指す「景観環境づくり」です。
まず、令和7年度は、環境課を創設し、環境衛生や下水道等の事務を担当し、環境政策を総合的かつ戦略的に取り組んでいきます。
省エネルギー対策として、引き続きリフォームや省エネルギーだけでなく町民の健康維持向上にもつながる住宅環境改修に対する補助を継続します。 また、高断熱の住宅環境への推進に向けた事業を検討します。
地域における野良猫対策としての「地域猫活動」に取り組むため、不妊・去勢手術費用等に対する補助制度を創設し、地域猫活動を推進します。 創設にあたっては、この活動を応援いただける方々から資金を募るガバメントクラウドファンディングを活用します。
空き家対策は、空家対策計画による空き家の適正な管理を推進するとともに、引き続き、老朽空き家の除却補助、危険なブロック塀の撤去補助も行います。
また、空き家等の追跡調査とともに、空き家活用の掘り起こしに取り組み、空き家バンクや補助制度の活用しながら、空き家の有効活用を目指します。
森林整備では、令和6年3月に、埼玉県伊奈町と「未来につなぐ森づくり連携協定」を締結し、伊奈町と横瀬町が共同で、横瀬町の森林整備を行っていますが、引き続き、持続可能な森林整備体制の充実とともに、森林や地域資源を活用した、地域間交流の活性化を図ります。
下水道事業は、引き続き、公営企業会計として経営の効率化・健全化を図り、将来にわたる持続可能な経営に向けて取り組んでいきます。
町内の生活排水処理対策を総合的かつ計画的な推進を図るため、「生活排水処理基本計画」を策定します。
次に、7の柱、温かい人の輪がたくさん生まれ続け、豊かな多様性があふれる町を目指す「人の輪づくり」です。
町の二大イベントである「町民体育祭」と「よこぜまつり」をはじ め、「日本一歩きたくなる町プロジェクト」や「みんなでつくる日本一幸せな町横瀬協議会」などのイベントや事業を通じて、引き続き、内容等に工夫を凝らし、人の輪づくりに繋げていきます。
地域おこし協力隊や集落支援員では、地域コミュニティ活動をはじめ、林業分野、有害鳥獣対策を含む農業分野、観光分野、子育て支援分野、そして、地域商社である株式会社ENgaWAでの活動など、行政課題に対応した地域活性化に意欲のある地域内外の人材を積極的に募集していきます。
町の文化財では、その保護、保存、活用とともに、伝統文化の継承のため、引き続き、「地域文化財活用推進実行委員会」に対し、国の補助制度の活用支援しながら、町内の文化財にかかる用具の修理や後継者養成等を支援していきます。
さらに、令和8年の秩父札所午年総開帳を前に、町内札所5カ所の看板を設置します。
最後に、7つの柱を支える土台についてです。
「日本一相談しやすい町」を目指して、なんでも相談室での「オンラインカウンセリング」、「町の声を聴くプロジェクト」や「町政懇談会 町民と語る会」などに引き続き取り組み、あらゆる機会を対話ができる機会と捉えて、対話を通じて相談しやすい雰囲気を醸成していきます。
より町民の皆様と繋がった官民連携や自治体連携を推進し、連動させるため、まち経営課内の「連携推進室」を強化します。
町の広報活動をより積極的に展開していくため、町の取り組みやイベント等を発信すべく、引き続き「もちちぶFM」の番組を活用していきます。
さらに、町のイメージキャラクター「ブコーさん」が積極的に活動していきます。 活動にあたって、その活動費用を応援いただける方々から資金を募るガバメントクラウドファンディングを活用します。
事務の効率化と情報システムの安全性を向上させるため、町独自のサーバーからガバメントクラウドへ移行を進めます。
秩父地域の広域連携については、全国のモデルになるような連携を進められていますが、令和7年度は、ちちぶ定住自立圏事業として、特に、秩父地域の医療体制をさらに充実できるよう連携協力していきま す。
広域連携に加えて、本町と福島県磐梯町、島根県海士町、そして鳥取県北栄町との間で連携協定を締結し、自治体間連携に取り組んでいます。 引き続き、それぞれの持つ資源や特長を活かしながら幅広い分野で地域を超えた柔軟な自治体連携を展開していきます。
民間企業等のノウハウや知見を活かし地域の活性化を図るため、地域活性化起業人制度や企業版ふるさと納税制度などにより、引き続き、外部人材を積極的に活用していきます。
以上、令和7年度における第6次横瀬町総合振興計画の目標「カラフルタウン」実現に向けた、重点施策を申し上げました。
【令和7年度予算概要】
議案第17号 令和7年度横瀬町一般会計予算
議案第18号 令和7年度横瀬町国民健康保険特別会計予算
議案第19号 令和7年度横瀬町介護保険特別会計予算
議案第20号 令和7年度横瀬町後期高齢者医療特別会計予算
議案第21号 令和7年度横瀬町下水道事業会計予算
の概要を申し上げます。
令和7年度は、第6次横瀬町総合振興計画の後期基本計画に基づき、多様な幸せが花開くカラフルタウンに向けて、町民の皆様との「対話」を大切にしながら、より一層連携して、横瀬町らしく、積極果敢に事業を進めていきます。
事業実施に向けて、限られた財源を適切に配分しつつ、積極的に事業を進めていく予算を編成しました。
その概要を申し上げます。
令和7年度の予算額は、一般会計47億5,500万円、特別会計3会計合計20億3,674万円、公営企業会計7億526万3千円、全体での総額は、74億9,700万3千円となります。
続きまして、予算の主な内容を申し上げます。
まず、一般会計ですが、歳入歳出予算総額は47億5,500万円で、対前年度9.6%、4億1,500万円の増額となります。
歳入予算の柱である町税は、11億6,417万2千円で、全体の24.6% を占め、対前年度4.4%、4,940万1千円の増額となります。 このうち、個人町民税は、最低賃金の改定等により所得環境の改善が進んでいることや、定額減税制度による影響を勘案し、前年度より3,890万9千円の増額を見込んでおります。
地方交付税は、前年度の交付実績及び国の令和7年度地方財政計画に基づき、普通交付税13億4,000万円、特別交付税2億7,860万円を計上し、全体の34.0%を占め、対前年度7.0%、1億549万2千円の増額となります。
国庫支出金は、障害者自立支援給付費国庫負担金7,973万3千円、子どものための教育・保育給付費国庫負担金7,734万1千円、社会資本整備総合交付金4,656万8千円などを見込んでおりますが、児童手当国庫負担金3,778万2千円の増、デジタル基盤改革支援国庫補助金4,432万1千円の皆増などにより、前年度比38.7%増の4億5,691万9千円を計上しました。
県支出金は、障害者自立支援給付費県負担金3,986万6千円、子どものための教育・保育給付費県負担金3,358万3千円、ふるさと創造資金2,700万円などを見込み、対前年度22.6%増の3億1,749万2千円を計上しました。
町債は、秩父広域市町村圏組合の水道事業に対する出資債1億3,020万円、町道改良事業債4,430万円のほか、消防車両購入、県衛星系防災行政無線施設再整備負担金等に対するものとして、緊急防災・減災事業債2,150万円などを見込んでいますが、臨時財政対策債の皆減などにより、対前年度5.3%減の2億940万円を計上しました。
続きまして、歳出について性質別に主な内容をご説明申し上げます。
人件費は、9億3,499万1千円で、全体の19.7%を占めており、対前年度9.8%、8,320万8千円の増額となります。
物件費は9億5,842万3千円で、全体の20.2%を占め、対前年度25.8%、1億9,636万9千円の増額となります。 主な事業としては、地域おこし協力隊活動業務委託、埼玉県町村情報システム共同化事業における標準準拠システム移行支援業務委託、横瀬小・中学校におけるICT機器購入などがあります。
扶助費は、5億8,396万1千円で、全体の12.3%を占め、対前年度14.9%、7,561万7千円の増額ですが、このうち最も多くを占めているのが管外保育所運営費委託料であります。
補助費等は、9億8,979万5千円で、全体の20.8%を占め、対前年度3.5%、3,302万2千円の増額ですが、このうち最も多くを占めているのが秩父広域市町村圏組合への負担金であります。
普通建設事業費は、3億5,725万2千円で、全体の7.5%を占め、対前年度10.8%、4,343万8千円の減額となります。 主な事業としては、社会資本整備総合交付金町道整備事業、ウォーターパーク・シラヤマ施設整備事業などがあります。
公債費は、3億7,393万8千円を計上しました。 小学校校舎建築に対する起債の元金償還が始まることもあり、対前年度11.6%、3,891万8千円の増額となっています。
続きまして、特別会計です。
まず、国民健康保険特別会計ですが、国民健康保険制度は、埼玉県が財政運営の主体となり、町は資格管理、保険給付、保険税の賦課・徴収、保健事業などの業務を行っています。
予算総額は、9億9,946万8千円で、対前年度8.9%、8,146万9千円の増額となります。
歳入では、主に国民健康保険税1億6,690万2千円、県支出金7億5,710万8千円を計上しました。
歳出では、保険給付費が7億4,509万3千円で、全体の74.5%を占めており、前年度に比べ8,368万円の増額となります。
続いて、介護保険特別会計ですが、予算総額は、8億9,986万9千円で、対前年度5.6%、4,781万1千円の増額となります。
歳入では、主に保険料1億9,358万8千円、支払基金交付金2億3,335万6千円、県支出金1億2,671万1千円を計上しました。
歳出では、保険給付費が8億3,180万3千円、地域支援事業費が5,201万6千円で、全体の98.2%を占めています。
続いて、後期高齢者医療特別会計ですが、後期高齢者医療制度は、町と埼玉県後期高齢者医療広域連合とが連携して運営しています。
予算総額は、1億3,740万3千円で、対前年度0.6%、78万6千円の増額となります。
歳入では、保険料と一般会計からの繰入金で総額の99.9%を占め、歳出では、広域連合への負担金が総額の97.7%を占めています。
続きまして、下水道事業会計ですが、令和5年度から地方公営企業法の財務適用を受け、公営企業会計として運営しています。
まず、収益的収入は、3億6,265万4千円、収益的支出は、3億6,048万7千円を計上しました。
また、資本的収入は、2億6,692万8千円、資本的支出(※原文は収益的支出)は、3億4,477万6千円を計上しました。
このうち、資本的収入が資本的支出に対し不足する額7,784万8千円は、過年度分消費税及び地方消費稅資本的収支調整額356万9千円、当年度分消費税及び地方消費税資本的収支調整額17万8千円、引継金32万1千円、過年度分損益勘定留保資金5,888万2千円、当年度分損益勘定留保資金1,489万8千円で補てんするものであります。
以上、「施政方針」及び「令和7年度予算概要」 について述べさせていただきました。 議員各位並びに町民の皆様には、行政運営により一層のご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます