生涯を通じて健やかに過ごすためには、運動・スポーツを通じて健康増進や健康寿命の延伸を実現していくことが必要不可欠です。特に幼児期から望ましい運動習慣を身につけることが、子どもの体力向上はもとより、成人以降のスポーツ習慣や、高齢期以降の健康保持にも大きな影響を及ぼすといわれています。
横瀬町では「日本一歩きたくなる町」を目指して、様々なウォーキング事業を実施しています。これまで成人期・高齢期を中心に、ウォーキング活動を推進して参りましたが、幼児期から望ましい運動習慣を身につけることが重要と考え、横瀬町保育所利用児を対象に「歩育プログラム(幼児期からの運動習慣形成プロジェクト)」を実施しました。
本事業は、令和5~7年度の3か年に渡って実施をしました。本ページでは、令和7年度に実施した内容を報告します。なお、結果分析については、令和7年度年長児(年少~年長の3年間、本プログラムを実践した児)について、考察をしています。
このページの目次
対象者
横瀬町保育所利用児
年少 8名 ・ 年中 6名 ・ 年長 10名
事業目的
1 幼児期からの運動習慣づくり
2 足部発達の実態把握
3 オリジナルプログラムの提供をすることにより得られた効果を明らかにする


事業内容
事業1 保護者の運動遊びに関する意識調査
・対象児の保護者を対象に、児の運動習慣や生活のアンケート調査を実施した。
・令和7年5月と、令和8年2月に意識調査を行い、プログラム前後での意識変化を把握した。
事業2 歩育プログラムの作成・実践
・基礎的な運動プログラムに加え、保護者の求めに応えられるオリジナルプログラムを作成した。
・歩育コーチ(日本ウオーキング協会認定)による指導を、令和7年5月~12月、計15回実践した。
事業3 効果測定
・令和7年5月と12月に体力測定等を実施し、プログラム実践前後での運動器・運動能力の変化を把握した。
・体力測定:25メートル走、立ち幅跳び、片脚立位
・運動器検診(ロコモ診断):閉塞しゃがみ立ち、体前屈、ブリッジ
・足裏測定
考察(抜粋)
・本報告では、同一児童を対象とした約3年間の縦断的データをもとに、足裏形態、バランス能力、動作の質、体幹機能、走力、跳躍力および柔軟性といった複数の身体機能の変化を一体的に確認した。
・足裏形態においては足部アーチの形成過程や荷重バランスの変化が確認されるとともに、足趾の接地や前足部への荷重といった身体の使い方の変化が見られた。25メートル走および立ち幅跳びにおいては明確な向上が確認され、基礎運動能力の発達が認められた。
・片脚立位や閉塞しゃがみ立ちでは高い水準が継続して維持され、ブリッジにおいては体幹機能の向上が確認された。
・ウォーキングは単調な動きとなりやすいが、本プログラムでは変化に富んだ内容とすることで、幼児が楽しみながら主体的に身体を動かすことが可能となり、その結果として基礎運動能力の向上傾向が見られたと考えられる。
・保護者アンケートの結果からは、幼児期の運動の需要性に対する認識は高いものの、家庭における運動機会は必ずしも十分でない状況が確認された。一方、プログラム実施後においては家庭で身体を動かす機会の増加など、意識から行動への変化が見られた。
結論(抜粋)
・歩育オリジナルプログラムは、基礎運動能力の向上に寄与する可能性が示唆された。
・足部機能の発達、バランス能力、体幹機能および走力・跳躍力の向上が相互に関連している可能性が示唆された。
・歩育プログラムの導入により、幼児の運動機会の増加とともに、保護者の運動に対する意識および家庭における運動習慣にも変化が見られた。
事業成果報告書
監修:医療法人社団青泉会 下北沢病院
報告:一般社団法人 日本ウオーキング協会 普及活動事業部