毎年8月16日は、芦ヶ久保の森下地区にある白髭神社の例大祭。今年は3年ぶりに、芦ヶ久保の獅子舞(埼玉県指定無形民俗文化財)が奉納されました。新型コロナウイルス感染症対策にも配慮し、演目を絞り、場所をいつもの神社境内から道の駅果樹公園あしがくぼのあずまやに移し、上演されました。私も、少しだけでしたが、見学することができました。この日は、猛暑日、暑いさなかの熱演に、(3年ぶりの)感動をおぼえました。
芦ヶ久保の獅子舞の歴史は古く、江戸時代に伝わり、悪魔疫病払いの祈願と地域住民の娯楽として、地域の皆さんが脈々と伝承し、今日まで守り続けられています。大雄(年配の雄獅子)と雄獅子(若い雄獅子)が雌獅子を奪い合う様子が主に演じられるのですが、太鼓を叩きながら、時には戯れたり、時には対決したりしながら、大胆な動きとともに獅子の内面が情感たっぷりに表現されます。自由奔放な動きをする「猿田彦(先導する道化)」、ささらを演奏する「花笠」、篠笛を奏でる「笛方」、皆が一体となって、獅子舞を盛り上げます。
今回、見学して、個人的に嬉しいと感じたことが二つありました。一つは、メンバーに多様性があったこと。演者から裏方まで、小学生から年配の大先輩までの多様な世代によってこの上演は支えられていました。そして、地元の皆さんに交じって、移住者(地域おこし協力隊1名、同卒業生2名)がメンバーとして活躍していました。世代も性別も出身地も異なる皆さんが協力してつくりあげた獅子舞、感慨深く拝見しました。そして、もう一つ嬉しかったことは、道の駅で上演されたことで、多くの観光客や来街者に見てもらえたことです。この素晴らしい芦ヶ久保の獅子舞、ぜひ多くの皆さんに見てほしいと思います。そして、これからも、この獅子舞の伝統がずっと継承されていきますよう、願っています。