地域おこしや商店街の再生などに取り組んでいる全国各地の人たちと交流させていただく機会が増えてきました。そんな方々からよく聞く体験談として、地域おこし活動などを始めて、特定のイベントが成功したり、やっと小さな盛り上がりができたところで、「一部の人だけ盛り上がって・・と批判されています」という話があります。“出る杭は打たれる”ではないですが、本気で取り組んでいる人ほど、この経験をしている印象です。実は、最近、自分の身近でも町の活性化にかかる活動に関して「一部の人だけ盛り上がっているだけでは?」といわれることがありました。
地域おこしも地方創生も、目的を果たすためには、今までと違う流れを作らないといけないので、新しい仕掛けによる新しい盛り上がりは必須です。その盛り上がりは、いきなり全体が一気に盛り上がる、というのは土台無理な話で、①まず小さな一部が盛り上がる(熱源ができる)→②それが全体に少しづつ波及する(熱が伝導する)→③別の盛り上がりがポツポツとできてくる→④それで全体が盛り上がる、という順序が必要になります。「一部の人だけ盛り上がっている」というのは必ず通る段階ですし、なによりゼロの状態から①の状態にすることはとても価値があることですので、ここだけとらえて批判するのはちょっと酷な気がします。ポイントは②と③に進めるかどうかで、一部の盛り上がり(これはこれで価値あることですが)で終わるか、ホンモノの再生や創生になるのかの分かれ目になると考えています。
現状のままでよしとするなら、新しい仕掛けも新しい盛り上がりもいりません。でも私たちの秩父地域のような“地方”の大半は、そんな状況にはないはずです。「一部」にせよ、盛り上がりができてきているとすれば、それは確かな一歩を踏んでいるということかなと思います。そして大事なのはその先。私たちもがんばっていきたいと思います。