- 町指定史跡
- 昭和48年1月31日指定
- 所在地 横瀬町大字横瀬1430番地
- 管理者 個人
札所六番堂は荻野堂(おぎのどう)といい、本尊は聖観音(伝行基作)である。縁起によれば、本尊は武甲山頂の蔵王権現社に永く鎮座していた後に、荻野堂に移されたと伝える。当初、荻野堂は苅米5区の竹の後にあったが、火災に逢い、宝暦10(1760)年、別当寺の卜雲寺(ぼくうんじ)に移された。荻野堂のあたりには「卜ヶ池」という大きな池があったと伝えられ、縁起に登場する。
卜雲寺は、向陽山と号し、曹洞宗である。開山は撫外春堂、開基は卜雲入道(前出の嶋田三河守四郎左衛門)。寛永15(1638)年の創立である。
明治9(1876)年8月、卜雲寺は、本堂および境内にある荻野堂や庫裏などを全焼する被害を受けた。その後、明治40(1907)年頃、寺の堂宇は再建されたが、以降、本堂に荻野堂の本尊を合わせ祀ったことから、現在は「札所六番卜雲寺」と称されている。
同寺には、荻野堂の縁起を記した町指定文化財「紙本着色荻野堂縁起絵巻」、同じく秩父地方唯一の「清涼寺式釈迦如来立像」が所蔵される。
御詠歌
初秋に風吹きむすぶ荻の堂、宿仮りの夜の夢ぞさめける